2008年 04月 10日
ウズベキスタンの旅 |
帰国してから1ヶ月近くたちましたが、今頃感想を書きました。
「ウズベキスタンに行く」何日も前から楽しみで、会う人ごとに言うと「ええな」と言いながら次に「それどこにあるの?」と大抵訊かれた。「アフガニスタンの下にあるようや」「あァそうか」「治安は大丈夫なの?」ほとんどの人が心配そうに言う。アフガニスタンと関連して考えると少し怖いような気がするようだ。事前の学習で得た知識をいかにも、以前から知っていたこのようにしゃべってきたが、本当のところ分っていなかった。
一番印象に残ったのは、モスクの多いことだ。信仰心の厚い人々の国だとしみじみ思った。門を入るたびに敬虔な気持ちになった。偶像崇拝をしないというイスラムの教えに共感を覚え、最初は真面目に写真を撮っていたが、だんだん見とれシャッターを切るのを忘れてしまった。「記録より記憶や」記憶力の衰えたくせに、そんな言葉を口にしながらひたすら歩いた。
無血で独立したと言われていた、バルト三国とは違う空気を感じた。
この国はごく穏やかにことが運んだのか、ガイドさんもそのあたりの話は出ない。現在の大統領は独裁者だそうだが、何も疑問や不満を感じていないどころか、誇りに思っているような気さえした。日本の政治に不満だらけの私には、うらやましいような、本当かいな?といった気持ちがはしった。勿論ガイドさんの話だけで判断するのは早計だろうが。
発展途上国と言われているが、首都タシケントなどはまさに大都会、車も多く結構渋滞している。もうこれ以上発展?なんかしてほしくない。
「野生の狼がいる」と言われたところはタシケントに近いところだった。
他の人は聞き流されて言葉だったろうが、狼に興味を持っている私の耳には、はっきり残った。人間に迫害され日本では絶滅、地球上から姿を消しつつあって、世界中で中国の北部シベリヤ・そしてアラスカ・カナダぐらいにしかいなくなったと言われている狼がここにいる。こんな砂漠の中でしたたかに生きている。バスの中から目をこらしてみたが見えるところにいるわけはない。
その後日本人墓地に案内してもらったとき、シベリヤに抑留された人たちが知らぬ土地で奴隷のように働かされ眠っていた。参加者の一人、神主さんの祝詞を聞き涙しながら、何の関連性もないはずなのに何故か脳裏に狼の姿が浮かんできた。
この感慨は私にしか分らないものだったに違いない。
西川禎一
「ウズベキスタンに行く」何日も前から楽しみで、会う人ごとに言うと「ええな」と言いながら次に「それどこにあるの?」と大抵訊かれた。「アフガニスタンの下にあるようや」「あァそうか」「治安は大丈夫なの?」ほとんどの人が心配そうに言う。アフガニスタンと関連して考えると少し怖いような気がするようだ。事前の学習で得た知識をいかにも、以前から知っていたこのようにしゃべってきたが、本当のところ分っていなかった。
一番印象に残ったのは、モスクの多いことだ。信仰心の厚い人々の国だとしみじみ思った。門を入るたびに敬虔な気持ちになった。偶像崇拝をしないというイスラムの教えに共感を覚え、最初は真面目に写真を撮っていたが、だんだん見とれシャッターを切るのを忘れてしまった。「記録より記憶や」記憶力の衰えたくせに、そんな言葉を口にしながらひたすら歩いた。
無血で独立したと言われていた、バルト三国とは違う空気を感じた。
この国はごく穏やかにことが運んだのか、ガイドさんもそのあたりの話は出ない。現在の大統領は独裁者だそうだが、何も疑問や不満を感じていないどころか、誇りに思っているような気さえした。日本の政治に不満だらけの私には、うらやましいような、本当かいな?といった気持ちがはしった。勿論ガイドさんの話だけで判断するのは早計だろうが。
発展途上国と言われているが、首都タシケントなどはまさに大都会、車も多く結構渋滞している。もうこれ以上発展?なんかしてほしくない。
「野生の狼がいる」と言われたところはタシケントに近いところだった。
他の人は聞き流されて言葉だったろうが、狼に興味を持っている私の耳には、はっきり残った。人間に迫害され日本では絶滅、地球上から姿を消しつつあって、世界中で中国の北部シベリヤ・そしてアラスカ・カナダぐらいにしかいなくなったと言われている狼がここにいる。こんな砂漠の中でしたたかに生きている。バスの中から目をこらしてみたが見えるところにいるわけはない。
その後日本人墓地に案内してもらったとき、シベリヤに抑留された人たちが知らぬ土地で奴隷のように働かされ眠っていた。参加者の一人、神主さんの祝詞を聞き涙しながら、何の関連性もないはずなのに何故か脳裏に狼の姿が浮かんできた。
この感慨は私にしか分らないものだったに違いない。
西川禎一
by ohitoriza
| 2008-04-10 16:47